こんばんは、さちです。
今回は、私のアルバイト経験について書きたいと思います。
働くこととの出会い
私はパン屋の娘で、小さい頃からお店の手伝いに参加していました。
父は職人気質で、「宇宙一おいしいパンをつくる」と日々奮闘していました。
母も親戚も父の思いを汲み、それぞれの立場で努力していました。
そんな環境で育った私は、少しでも力になりたいという思いから、
自分の仕事に価値を見出せるように行動することを心がけていました。
社会に出て感じたギャップ
大学生になって初めて社会でアルバイトするにあたり、
まずは大手チェーンで働くことを決めました。
しかし実際に働いてみると、仕事は「こなすもの」という位置づけで、
お客様と親しく話す機会もほとんどありませんでした。
世の中の”仕事”と私が思う”仕事”との間にギャップを感じました。
満たされない気持ちを埋めるようにアルバイト先を転々とし、
やがて高級焼肉店で働ける事になりました。
この場所での経験が、私に大きな変化を与えてくれました。
緊張感の中で得たもの
初めの頃は、お客様のご案内、料理の提供や説明、
洗い物、ドリンク作りなど、基本的な仕事ばかりでした。
それでも、緊張感の漂う空間では常に所作に気を配る必要があり、
それだけでも多くのことを学びました。
徐々に仕事に慣れてくると、次に任されたのは、
塊肉をお客様の前で焼き、パフォーマンスとしてフランベを行う仕事でした。
焼肉店でも家族や友人が”肉奉行”をしてくれていたので、お肉を焼く経験はほとんどなく、不安がありました。
自分の焼いたお肉がお客様の口に入ると思うと、責任の重さを痛感させずにはいられませんでした。
やっとのことでその仕事を覚えると、今度は+αの接客が求められました。
お肉を焼いている間にお客様と会話をし、人柄や雰囲気を気に入っていただけるようになることが目標です。
このお店を”特別な場所”に感じてもらい、再来店につなげることが目的でした。
これまでの仕事と違い、明確な”正解”がないという状況は、常に緊張感を伴いました。
けれど同時に、「自分の力でお客様にまた来てもらえるかもしれない」
という喜びも感じていました。
人との対話から生まれる学び
印象に残っているのは、お客様との会話の中で、
それぞれの人生の一部に触れられたことです。
「なぜその道を選んだのか」「結果どうなったのか」「その時どんな気持ちだったのか」
そんな話を聞ける時間が、私にとっては何よりも楽しいものでした。
奥様との結婚記念日に来店された方は、
日常の中にある”さりげない愛”を教えてくれました。
事業の失敗を経験された方は、
「楽天的な視点が時に大切である」ことを教えてくれました。
経営の理念や社会の動きなど、まだ知らないこともたくさん学びました。
会話を重ねるうちに、仕事の枠を超えた学びがあることに気づき、その環境で働けることに喜びを感じるようになりました。
働くことの本質に気づいて
同時に、考えるようになりました。
「自分はお客様に、何かを与えられているだろうか」
そうしてからは、お客様がどんな会話を喜ぶのか、何を求めているのかをよく観察するようになりました。
名前を覚えていただいたり、笑顔で声をかけてもらえたときには、自分が認められたようで、本当に嬉しかったです。
”最低限の接客”ではなく、”際限のない接客”を考えるようになってから、お客様からの評価は自然と高まりました。
そして気づいたのです。
働くというのは、与えることだけではなく、与えられることでもあるのだと。
そう思えた瞬間、働くことがさらに楽しいことに変わっていきました。
結びに
このアルバイトで得た経験は、私の中で今も大切な学びとなっています。
働くことは、誰かの時間に寄り添うこと。
その中で生まれる”与え合い”が、人の心を豊かにしてくれるのだと思います。
そうした環境で学び、成長できたことに心から感謝しています。
では、また次の投稿で。

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